だいぶ日が経ちましたが、Speed Cobra 310 Black & Copper -Limited Product-を購入しましたのでレビューをしていきたいと思います☆
Speed Cobra 910 BLACKOUT SPECIAL EDITIONとの違い
2021年に限定発売されたSpeed Cobra 910 BLACKOUT SPECIAL EDITIONとの違いはシリーズが異なり、910はフラッグシップモデルであるということ。
Speed Cobra 310 Black & Copper -Limited Product-は910シリーズのコストパフォーマンスモデルという位置付けのシリーズです。
良い意味でのラフさを加えた310
310シリーズは通常モデルが発売してからだいぶ経つのですが、私はこの限定モデルを買うまで試した事がありませんでした。
愛用する910シリーズをとても気に入っていた私にとって910シリーズこそが「スピードコブラ」であり、廉価版の310シリーズはわたしの中で「スピードコブラではない」という認識でした。
910の方が全てにおいて優れているのを分かりつつ、機能を減らした廉価モデルを改めて購入する意味が見出せなかったからです。
しかし、私はその自分の考えを改めることになります。
この310シリーズは紛れもないスピードコブラであり、910の単なる下位互換ではなく310という910と異なる別のコンセプトを持った素晴らしいペダルでした。
600シリーズが2015年8月まで生産されていた旧アイアンコブラの設計思想を受け継いだ上でパワーグライドとローリンググライドという異なるアクションの切り替え機能を加えた「リファイン旧アイアンコブラ」だとするなら、この310シリーズも2015年8月まで生産されていた旧スピードコブラに200シリーズのアイデアを加える事で良い意味でのラフさ、扱いやすさが加わった「リファイン旧スピードコブラ」といった感じでしょうか。
旧スピードコブラ910と現行スピードコブラ910を比較した時にMinimizing Power LossとSwivel Spring Tight (US.PAT.NO.9236038)による徹底した「フットボードの遊びの除去」が挙げられます。
元々ヒンジ部の精度、耐久性に優れたスピードコブラ、アイアンコブラは他社メーカーのペダルと比べて横ブレの心配が全く無いのでヤフオク等の中古市場でも「使える中古品」が多く出回っています。
既にヒンジ部の品質において高い評価をもつコブラシリーズですが現行の910、900シリーズにはMinimizing Power Lossという新機構によって鉄壁のヒンジ部がさらに強化。
もはやこれ以上の改良は不可能だろうと思えるほどに究極レベルでの横ブレのシャットアウトを実現。
ツーバス、ツインペダルでの精度の高い演奏が要求されるメタル系において910シリーズはチェーンドライブ系ペダルの中で圧倒的な人気を誇るペダルです。
現行910シリーズがエクストリームメタルドラマーに向けての究極のチェーンドライブペダルの提示だとするなら、310シリーズは旧スピードコブラが持っていた精密さ、軽快さの中に良い意味での遊び、ラフさを加えて演奏者側のインスピレーションをかき立ててくれる「シンプルなペダル」であるという事です。
旧スピードコブラ910シリーズ発売時の購入者によるネット等でのレビュー記事で
「YAMAHAのペダルが好きな方に」
「カムコペダル愛用者におすすめ」
と言ったコメントを見たことがあります。
旧スピードコブラを踏んだ事がない方、知らない方は意外かも知れませんが旧スピードコブラはダイレクトドライブに匹敵する無駄の無い反応速度、精度の高さを持ちながらもダイレクトドライブのような無機質な感触に仕上げるのではなく、最新のペダルであるにも関わらず、ビンテージペダルが持つ踏んでいて気持ちの良い適度なラフさも併せ持った不思議なペダルでした。
現910シリーズ、310シリーズというのは旧スピードコブラが持ち合わせていた高速連打に対する精密機械のような精度の高い追従性とチェーンドライブ特有の足に馴染む適度なラフさというこの相反する複雑な要素を二分し、それぞれに一点特化させた印象に私は感じます。
310シリーズは旧スピードコブラが隠し持っていたこのラフでシンプルな部分を900シリーズのパーツから200シリーズのパーツに変更する事で推し進めた現代版カムコとも呼べる「ハイブリッドペダル」なんだと私は理解しました。
旧スピードコブラを200シリーズのパーツで組み直し、コストダウンして作った単なる廉価版スピードコブラではないという事です。
私はカムコペダルも所有していますし、HP200(現アイアンコブラ200)も持っています。
もちろんThe Classic Pedalも所有してまして、カムコペダルユーザーの方がカムコが手に入らない事からこのThe Classic Pedalをカムコの代替えペダルとして検討される気持ちも理解出来ますが正直、踏んだ事がある方はご存知のようにThe Classic Pedalとカムコペダルは別物です。
The Classic Pedalが悪いと言うわけではなくて、あのペダルはあのペダルとしてもちろん素晴らしいのですがカムコが好きなカムコユーザーが「カムコ」を求めてThe Classic Pedalを購入された場合、ちょっとイメージと違うと感じると思います。
YAMAHAのFP720が唯一無二なように、カムコもまた唯一無二の存在。カムコを求めるならカムコでしか満たされることはないでしょう。
そこで話を310シリーズに戻しまして、この310…良い意味で「カムコっぽい」んです。
あくまで「ぽい」です。
どういうことかと言うと、カムコでゴスペルチョップスとかの高速フレーズを踏んでると「あ”〜!!もう少しダイレクトについてきてくれー!!」となった事がある方居られると思います。(ゴスペルチョップスやるならアイアンコブラやスピードコブラ使わんかい!というツッコミは無しでよろしくです。笑)
ビンテージペダルってやっぱりタイムラグあるんです。
でもあの独特の間が心地良いグルーヴに誘ってくれる部分もあるので現代的なプレイをやってると、「このカムコの心地良いラフさでもう少し遊びが無くなったペダルがあると良いなぁ〜」って思う瞬間が多々あります。
そんなワガママを叶えてくれるのがこの310シリーズというわけです☆
まんまカムコってわけではないのですが、カムコのように軽快に動くシンプルなペダルがロングボードになって現代的な奏法にも対応出来る上にアンダープレートまで付いちゃいましたってのが310シリーズかなって思います。
なので310シリーズは910シリーズが高くて買えないメタルドラマー、ツインペダルドラマーの為の廉価ペダルというよりはカムコのようなシンプルなペダルを求めつつ、チョップス系のフレーズにも対応したいといったジャズドラマーやスタジオドラマーの方にオススメしたいペダルですね!
私は限定品を購入しましたのでパワーストライクコブラビーターが付いてますが、個人的にはDragonfly Percussionのビーターとか付けるとルックス、サウンド共に更にビンテージペダル寄りにブラッシュアップされて良いと思います☆
こんな感じで、310シリーズについての私の感想を書いてみました☆
ペダル購入の際の参考になれば幸いでございます。
今日は大阪でサトコさんのイベントがあるのでそちらに伺います。
ではまた!